ぺんぎんさんは怠け者

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受験生の時に知っておきたかった 大学ってこんなところ

受験シーズン,そろそろ志望校を固めることでは?

こんにちはぺんぎんです. 毎日暑いですね.

夏休みといえばオープンキャンパスやなんやで大学を見学しつつ,高校生諸君はキャンパスライフに想いを馳せる時期ではあると思うが,情勢が情勢でやきもきしているだろう.

でもちょっと待ってほしい. そもそも大学に行くといっても大学がどういうところかという根幹の説明を実は高校の先生も,塾の先生も,親も,誰も教えてくれないと思っている.

日本ではなんとなく自分の学力に見合った大学を探し,なんとなく興味のある学部や学科を選択し,就職のためになんとなく進学する人が多いと思う.

なんだかんだそれは人生の大きな間違いではないが,勉強のモチベーションにはならないだろうし,大学生活もだらだらと遊んですごしてしまう.

ということで大学ってどんなところ?何をしてるの?というそもそもの話をしたいと思う.

大学は学術研究を通じた教育を行う高等教育機関である

結論からどーーんとなって申し訳ないが,学術研究を通じた教育を行う機関である.*1

そっかー研究するのかー

「研究ってなに?」

Wikipediaには

学術研究での主な目的は新しい事実や解釈の発見

と書かれている.

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研究のイメージ

これは昔同じような画像を見て探したんだけど見つからなくて3分で僕が作ったイメージだが,人類の未知に対してなんらかの発見をし,人類の知見を広げていく(緑の部分)ことが研究の本質である.

大学に勉強しに行くみたいな表現が世間一般ではされるが,これは間違っていて「誰も知らないことを解き明かしに行く」過程で「いままでの人類の知見を身に着ける」というのが大学で学問を修めるということだと思う.

でも勉強はするじゃん?

Q.「じゃあ大学では研究だけやっていればよくて,勉強って必要なくない?」

A.「勉強せずに人類の未知に触れられるわけねーーだろ」

はい,ごもっとも.

学部の大半は,講義を受けて課題を出し,テストを受けて,単位を取得するという行為を行うため,この単位取得のプロセスが大学の本質と誤解されていることが多いがこれはすべて研究を行うための要は「下積み」である.

これ僕も学生時代はあんまり理解できていなくて,頑張って単位は取得していたけれど1つ1つの授業内容を完璧に理解できていなかった. 1つ1つの授業内容を理解できなかったとしても,強制的にその分野に関わる単語や概要,何をやっているかといったことが受動的に取り込めるという点で講義は有意義であったと思う*2

研究って何してるの?

学術研究が認められるには以下の3点が必要とされている.

  1. 新規性
  2. 有用性
  3. 信頼性

新規性はいままでその研究がだれも行っていないこと,行っていたとしてもその研究と比べてどこが新しいのかという点を証明する必要がある.

有用性はなんの役に立つのか,ということを示す.これは何も実社会に利益を出すことではなく,その分野の研究のこういうところが問題でこういうところに役に立つみたいなことが言えれば良い.

信頼性はその手法や理論が正しいかということだ.研究ではその手法や理論を提案したとして,それが正しいという答え合わせの手法も自分で提示する必要がある.実験をして前の手法と比較してみたり,証明を行ってみたりと正しさの証明方法は分野や研究によって異なる.

この辺の話はここが詳しい.

www.okada-lab.org

研究の進め方

一般的な研究の進め方,論文の流れは

  1. 先行研究を調べる
  2. 先行研究にダメ出しをし,その問題点を解決する手法や理論を提案する
  3. その手法や理論の正しさを証明する方法を考える
  4. 実験や証明をする
  5. 結果を考察したり,こういう条件下でやったからっていう自身の研究がカバーする範囲を限定する
  6. 以上の流れを論文を書く

っていう流れが基本.この流れで上で述べた論文の3要素を満たす.

しかし論文は書いただけではあんまり有効じゃない. その論文が良いものかどうかは論文誌という分野ごとに論文をまとめる雑誌に掲載されるかどうかで決まる. 論文誌の中でも格付けがされていて,例えば有名なNatureとかは(これはまぁ格付けの方法によっても変わる)掲載されたらすごい論文ということになる*3

それらの論文誌に乗るには査読という匿名の同じ分野の研究者に見てもらって,その人が良いって言う必要があります.「こんな論文はゴミ」みたいなキッツい査読が返ってくることもあるが,それをなんとかここがすごいんだよ!みたいな回答書での攻防が必要とされます.

論文が論文誌にアクセプトされるまでは以下のツイートがビジュアル的で分かりやすい(?).

まとめ

大学の「勉強をするところ」というよりも「研究を通じて結果的に勉強するところ」という性質がこの記事ですこしでも伝わってくれれば僕としては大満足である.

エンジニアとかになるだけであれば,大学を卒業する必要も全くない*4

だが,人類の未知に対して自分で課題を見つけて解決する方法を考えて,その方法が正しい証明の仕方を身につけるという活動を研究を通じて行える点で言えば大学はとても良い場所であると僕は思う. その研究活動を通じて,その分野の最先端の知識を身に着けることや,自分の研究を人に説明すること,未知の事象についてアプローチして解決していくことなどが多少なりとも身についたのかなとは思う.

良い大学生活を!

P.S この記事は理系大学卒の私の体験を基に書いているため,文系大学の研究方針などとはまた異なっているであろうことを末尾に据えておく.

我が母校,電通大についての記事はこちら penguin-uec.hatenablog.com

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*1:どっかのだれかのなんとか大学は学術研究をしていないので大学という名前を冠するのもおこがましいよ

*2:いくらGoogle検索で調べられる時代になったからと言って,その調べる単語を知っていなければ調べることも叶わない

*3:たまに自分の主張を補強するのに論文持ってきてお前も論文出せみたいに言ってくる人いますよね,しかも知らないインパクトファクターもないような論文誌の論文.その論文の執筆者もいたたまれないですよね

*4:事実,高卒や専門卒の強いエンジニアはいっぱいいる